打楽器に目覚めたきっかけは地元の和太鼓グループへの参加。それからバンドでのドラム演奏、そして日本大学学生時には「リズム・ソサエティ・オーケストラ」でパーカッションを担当。
卒業後は一度就職するが、劇団四季のライオンキング名古屋公演でパーカッションを務めたことをきっかけとして会社を退職。その公演での演奏は千秋楽までの1年半続いた。
2006年にはキューバへ。師匠からコンガを学び、バンド「シエラ・マエストラ」や、ソン・フェスティバルへの参加を経験。帰国してからは2010年からバンド「SALSA SWINGOZA」でボンゴを担当するなど活動中。「かせっちのラテンパーカッションレッスン」も開催している。
みなさん、はじめまして!パーカッショニストの加瀬田聡です。ラテンパーカッションをメインに演奏してます。
みなさんはラテンパーカッションと聞いてどんなものが思い浮かびますか?ちょっと古いところでいくと、マンボの「あーーーーー、ウッ!!」ってやつかな?
パーカッションっていうのは打楽器の総称なので、ドラムやマリンバ、トライアングルなどありとあらゆる打楽器のことを指します。
その中で、ラテンパーカッションというのは主にラテン音楽で使われるパーカッションのことです。
かなりザックリとしたジャンル分けですが、そもそも打楽器は世界最古の楽器で、その辺にあるものをポコポコ叩いたのがきっかけで、「モノ」から「楽器」へとなったものばかり。「さあ、今からラテンパーカッションを作るぞ!」みたいなことはないわけで、こんなザックリでもいいんじゃないですか?!
さて、それではラテンパーカッションの代表的なものなどをご紹介していきたいと思います。まず、ラテンパーカッションの三種の神器(古い!)
・コンガ
・ボンゴ
・ティンバレス
この3つのパーカッションはラテン音楽ではなくてはならない存在で、特に「サルサ」というラテン音楽のジャンルでは三位一体でリズムの要(かなめ)を担ってます。
僕が普段いろんなところで演奏していて、今でも実際にある質問第1位が「どっちがコンガ?どっちがボンゴ?」です。
大きい方がコンガで小さい方がボンゴなんですが、「イメージと逆!」って覚えれば大丈夫かなぁ〜。まあ、一度でも実際に叩いてみればすぐに覚えちゃいますけどね!
コンガもボンゴも木をくり抜いたものに牛の皮を張ったもの。コンガの方が一般的に口径が大きいので低い音。ボンゴは手のひらと同じくらいの大きさの皮をカンカンに張って高い音を出します。
ティンバレスは、金属製の胴にプラスチックの皮を張って、カウベルなども付いているパーカッションです。
ドラム経験者だとティンバレスをセッティングするときに左側に口径の小さい方を持っていきがちですが、正式には右側に高音、左側に低音。クラシックのティンパニーが起源ということもあり、ピアノをイメージしてもらえばわかりやすいかな。
最初にも書きましたが、ラテン音楽ではコンガ、ボンゴ、ティンバレスが三位一体となりリズムの要を作り上げます。
ブレーメンの音楽隊で言えば、ロバの役割かな。ロバがしっかりしていないと、その上に乗っている他の楽器(ピアノやベース、トランペットなど)が崩れてしまいます。
だから、ロバがしっかりしないといけないんですが、逆に堅物すぎるのも面白くない。
コンガもボンゴもティンバレスもそれぞれ「基本パターン」ってものはありますが、それはあくまで「基本」。ロバで言うなら、ただ普通にまっすぐ歩く程度です。
もちろん、基本はすごく大事なのでまずは基本を覚えましょう。でも、そこで終わったら踊れません。
ラテン音楽は、踊れなければ楽しくない!!!
踊らせなければ、ラテンパーカッションニストじゃあ〜ないっ!
コンガ、ボンゴ、ティンバレスが三位一体となり、最初は歩くだけのロバから、徐々にいろんな小技をマスターして、スキップしながら、時にはジャンプしながら、アクロバティックに歩けるロバを目指しましょう!
さて、次にご紹介するのはこれまたラテン音楽には欠かせない「マラカス」と「ギロ」です。
前述したコンガなどに比べるとカラオケボックスとかにあったりして馴染みはあるかと思いますが、しかしあなどるなかれ!!
「マラカス3年、ギロ8年」なーんて格言が存在するかは定かではありませんが、なかなか難しい楽器です。
マラカスは、楽器屋さんで売っているものは主にプラスチック製だとは思いますが、本来は皮や木の実、穀物などの天然の素材で作られたものです。
ギロも同じくプラスチック製のものもありますが、本来はヒョウタンをくり抜いて外側に溝を掘ったものです。
マラカスもギロも見た目のシンプルさとは裏腹に演奏するのは難しい楽器ですが、だからと言って触らないのはもったいない。
個人的には、コンガよりも大好きな楽器だし、演奏できる人が少ないからこそ今がチャンス!!!
カラオケボックスや車の中など小スペースで練習できるし、演奏パターンもそんなにあるわけではないので基本パターンをひたすら反復あるのみっ!!「習うより慣れろ!」っていうのがピッタリな楽器だと思います。
最後に、ラテンパーカッションの枠に入るのか微妙ではありますが「カホン」をご紹介したいと思います。
スペイン語で「箱」という意味のカホン。起源は諸説ありますが、ペルーの魚市場で働く人たちが昼休みに唄を歌ってたところ、タラを入れる箱を叩くとちょうど良い低音が出るってことで叩き始めたのが起源というのを聞いたことがあります。
その後、いろんな音楽に取り入れられました。今ではカホンと言えばフラメンコというくらい、カホンが使われる代表的な音楽ですが、スペインのフラメンコの巨匠、パコ・デ・ルシアが1970年代にフラメンコに取り入れたみたいです。南米ツアーに行った時にカホンをプレゼントされたのがきっかけだったとか。
こうやっていろんな音楽が飛行機や船などの文明の力によって交ざり合い、新しい形に変化していくんですねー
まさに、音楽に国境はない!
さて、駆け足ではありましたがラテンパーカッションの代表的なものをご紹介しました。
なかなか馴染みのないものばかりだと思うので、まず名前が覚えられなかったり、どんな音がするのか想像もできなかったり、大きさですらわからなかったりすると思います。
なので、まずはレッスンに遊びに来ていただいて、「見て」「触って」「楽しんで」ください。上手くやる必要はないです。触ったことすらないんだからいい音が出なくて当たり前です。
いい音はパーカッションを叩いてさえいれば絶対に後からついてきます。
まずは触って、みんなで一緒に音を出す楽しさを体感してください。パーカッションの素晴らしさや奥深さは、楽しく叩くという大前提のさらにその向こう側にあります。
1人でも多くの人にそれを体感していただきたいです!
加瀬田さんは自身が奏者でもありつつ、探求のためにキューバまで出向くなど研究者的な面も持っています。記事では楽器について、歴史的なエピソードを交えながら初心者でも分かりやすいようざっくりと解説してもらいました!
銀座のラテンバー ラス・リサスで行われる「かせっちのパーカッション体験レッスン」もぜひチェックしてみてください。
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