【ドラマー片平智久が解説】ハイハットの踏み方と開き具合の調整

現役ドラム講師の片平さんが、ドラム初心者向けにハイハットシンバルの叩き方・音の調整について解説。思い通りの音が鳴らないという方はぜひ参考にしてください。

記事の解説者:片平智久

福島県いわき市出身のドラマー。高校生の時にドラム演奏を初め、その後アメリカのMusician's Institute PITで打楽器を学ぶ。ドラムの師匠達のもとで、様々なジャンル・スタイルを習得。

YAMAHA認定のドラム講師であり同音楽教室でレッスンを提供。また、ビッグバンドでの演奏やミュージシャンと舞台で共演するなど現役ドラマーとしても活躍している。

ブログやTwitterなどでライブ情報やドラマーに役立つ情報を発信中。Twitterでは実際にドラムを叩くショートクリップも公開されているので要チェック!

はじめに

ドラムを演奏する上で欠かす事の出来ないハイハット。

時にはピタッと閉じた音だったり、時にはルーズな開いた音だったり…。

場面に応じて色々な音色を使い分けますが、今日はその開く「開き具合」、そして程良い開き具合を得る為にはハイハットペダルに乗せた左足をどの様にコントロールすれば良いのか、考えていきましょう。

1.そもそもハイハットペダルを踏んでいない時の開き具合はどれ位が良いのか?

まずはハイハットシンバルのセッティングについて考えてみます。ペダルを踏んでいない時、2枚のシンバルの開き具合はどれ位が良いのでしょうか?

正解を言うと決まりは無く、例えばJazz Drummerは結構大きく開いてセッティングしますし、X JAPANのYOSHIKIさんなんかは殆ど開いていません。その人それぞれの演奏スタイルに合わせて最初はセッティングするんですね。


ハイハットのセッティングについて1つよく言われるのは「指2本分開く」と言う事。

ドラムを始めたばかりでハイハットをどれくらい開いてセッティングすればいいか悩んでいる方は、とりあえず「指2本分」開いてセッティングしてみてください。左足でペダルを踏んで、その開いたハイハットをしっかり閉じましょう。

それでは演奏スタートです。

2.楽譜中に「○」が出てきたらハイハットを開こう

さて、実際に曲を演奏していると楽譜のハイハット上に「○」(小さい丸)が書かれている事があります。その記号の意味は「ハイハットを開いて演奏する」という事です。

では、その記号を見たらどの様にハイハットを開くべきでしょうか?


「簡単!ハイハットペダルから足を離してしまえば勝手にハイハットが開くよ!」


そうですね。確かにペダルから足を離せば自然にハイハットは開きます。

指2本分開けてセッティングしている方は、足を離せば勝手に指2本分開くことになります。
その状態でハイハットを鳴らすと実に良いオープンサウンドが…と思いきや、なかなかそうはいきません。

譜面の指示通りにハイハットをオープンにしているのに何故か良い音が鳴らない。一体何が原因なのでしょうか?

実はハイハットを開く際に気を付けなければならない大きなポイントがあるのです。

3.気をつけるべき大きなポイントとは?

ペダルから足を離してハイハットを横から見てみましょう。

指2本分開けた状態にセッティングをして、そのハイハットを横から見ると上のシンバルと下のシンバルが完全に離れているはずです。

その状態でハイハットをスティックで鳴らしてみましょう。
実際に試してもらうと分かりますが、「上のハイハットシンバルしか鳴らない」と言う事が起こります。下のシンバルは全く鳴っていません。その音を聞いてみてください。何だか格好悪いですよね。


「あれ?CDで聞いているドラマーさんの音はもっと”シャーッ”と言う感じなんだけどな…。自分の音は”ワーンワーン”鳴っているな…。」


そうなんです。一言に「開く」と言っても「開き具合」が大きなポイント。どのくらい開くかでハイハットからは全然違う音が出てきます。

ハイハットペダルから足を離した為に2枚のハイハットが完全に離れてしまい、その結果、上のシンバルしか鳴らずに”ワーンワーン”という自分が望んでいた音と違う音に鳴ってしまったのですね。(勿論、その”ワーン”という音が欲しい時はそれでOKです。)

そうならない様に考えなくてはならない「ハイハットの開き具合」。

“シャーッ”という音を出すにはどれ位の開き具合が良いのでしょうか?また、そのためにはどの様に左足をコントロールすれば良いのでしょうか?

4.2枚が擦れ合う位の開き具合で。そのためには足をあげるのではなく、つま先の力を抜く

前述の”シャーッ”という音を出す為には上下のハイハットシンバル同士が擦れ合う必要があります。開きすぎると2枚が完全に離れてしまい擦れ合う事がなくなってしまうので、そうならない様にほんの少しだけ開きます。

ほんの少しの開き具合にする為には左足のつま先の力を抜くという事が大切であり、左足をハイハットペダルから離したり、つま先を大きく持ち上げたりする必要はありません。つま先の力を抜く事で上のシンバルが少しだけ持ち上がり、2枚のシンバルが擦れ合う程良い開き具合を得る事が出来ます。


ただ、ハイハットスタンドのセッティングやペダルに足を置く位置によって、その力の抜き具合というのが微妙に変わってきます。

どれくらい力を抜くとどれくらいハイハットが開くのか、実際の楽器で試して身体の感覚として覚えてしまいましょう。

5.「開きすぎない」をポイントに格好いいハイハットのオープンサウンドを鳴らそう!

格好いいハイハットのオープンサウンドを出す事、その為にハイハットは開きすぎずに2枚が擦れ合う音を出せる様にしようという事について書きました。開きすぎた結果、上のシンバルしか鳴らず、いまいち格好いい音に鳴らない事も分かって頂けたかと思います。

一言で「開く」と言っても色々な開き具合があります。格好いいハイハットのオープンサウンドを鳴らす為に「開きすぎない」をポイントに演奏してみてください。

それに合わせてハイハットのセッティングや左足を置く位置についても考えてみると良さそうですね。
きっと皆さんが求めている”シャーッ”というナイスなオープンサウンドが出せるはずですよ。

さいごに:音マグ編集部より一言

以上、本記事では簡単と思いがちなハイハットの音調整・開き具合について現役ドラム講師でもある片平さんに解説してもらいました!

ハイハットはスネア、バスドラと並ぶドラムの基本です。どんな演奏でも必ず使うので、本記事を参考にしてより良いハイハット演奏を身に着けましょう!

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