【DTMerモデが解説】DTMギター音源を生楽器の音に近づける4手順

DTMのギター音源・ギタープラグインの音を打ち込む際に、生ギター風に聴かせる工夫を4ステップに分けて解説!初心者の方でもすぐに実践できますよ!

記事の執筆者:モデさん

子供の頃からピアノに親しみ、15歳頃からギターを弾くように。インディーながらバンドで作曲やライブに取り組み全国を回ったりなど精力的に活動したが後にそのバンドを脱退。

その後も音楽活動を続け、音楽の専門学校にも入学。卒業後はギター講師も経験し、DTMも学び始める。

ブログでは機材やプラグインのレビュー、音作りのテクニック、自身の活動報告や楽曲発表などを発信している。なお音源はYouTubeやニコニコ動画で視聴可能。

ギター音源を生っぽく打ち込むには?

DTMではしばしばギター音源を使った楽曲を制作する機会があると思います。

しかし、いざギター音源でフレーズを打ち込んでみると機械的で平坦なサウンドになってしまった経験のある方は多いのではないでしょうか。

私もその一人です。

ここではギタリストの観点から見たギター音源の打ち込み方法をストロークに絞って説明させていただきます。

今回は私の愛用DAW、Logic pro Xに内蔵されているアコースティックギターを使って進めていきます。

早速、打ち込んでいきましょう。

1.コード(和音)をギターの響きに直す

CM7(Cメジャーセブンス)を打ち込んでみました。このコードは1度、3度、5度、7度からなるセブンスコードです。また、併せてギターのストロークでよく使われているものを打ち込みました。

これがギターっぽくない響きを持ち機械的なニュアンスの状態です。

MIDIキーボードやマウスで打ち込むとこの形になりやすいです。

ギターらしい響きにするには3度の音をオクターブ高くする必要があります。CM7の場合はミの音です。

3度をオクターブ高くしたら土台の完成です。

2.ピックが弦に当たる順番を意識する

ギターはピックを使ってストロークする場合、性質上音が同時に鳴ることはありません。

グリッドに対してぴったりにクオンタイズされたノートは機械的に聴こえる要因の一つです。

ダウンピッキング(上から下に向かって弦を弾く)は太い弦から細い弦に向かって順番に弾かれていきます。

低い音から高い音に向かっていくと言い換えることもできます。

逆にアップピッキング(下から上に向かって弦を弾く)の場合には細い弦から太い弦へと順番に弾きます。

アクセントをつけて力強く弾くときには手の速度が上がるので各弦を弾く間隔は狭まり、弱く弾くときは手の速度が落ちるので弾く間隔は広がります。

このギターの仕組みを頭に入れてピックが弦に当たる順番を調整していきます。

ダウンピッキング部分は太い弦から順番に、アップピッキングは細い弦から順番に音がなるよう調節します。

ほんの少しずらす程度で問題ありませんが、力強いアタックが欲しい箇所はずらす間隔を狭く、弱いアタックにしたい箇所は気持ち長めにずらします。

ただし見た目よりも音を聴いて判断してみてください。

画像では分かりやすいようにノートの間に隙間がありますが、これは隙間がないくらい狭い方が自然です。

また、コードが変わる瞬間はコードを押さえている手を移動させる動作があるため、少し隙間をあけます。これも見た目よりも音で判断してみてください。

音源によってはフィンガーノイズが収録されている場合があります。この隙間にフィンガーノイズが鳴るとより生々しさがでます。

次はベロシティをいじっていきます。

3.ベロシティでストロークに抑揚をつける

生っぽさを演出するためには「人が弾いているような感じ」が必要です。

だからといって完全に人が弾いている音を目指すのではなく、機会っぽくない音を目指す程度で十分です。

音源によってベロシティによる音の変化が異なるので、音で判断しながら動かしてみてください。

まずは比較的大雑把にベロシティを動かします。力強く弾くと想定した箇所は少しベロシティを強く、弱く弾くと想定した箇所は弱くしてみます。

この段階で、極端に強過ぎたり弱過ぎたりしたら違和感がないように修正します。

注意点として、ベロシティを動かすときはノート一本ずつではなくピックで弾いた弦全てを同時に動かします。

理由は、ストロークは同時に複数の弦をほぼ均等な力で弾いているので、そのうち一本だけが飛び抜けて強かったり弱かったりということはありません。

稀にギターのコンディションの問題や4~6弦よりも煌びやかで目立ちやすい1~3弦が強く聴こえるということもありますが、打ち込みでは無視しします。

ここまでうまく調整できていれば、機械的な音から大きく脱却できているはずです。

番外編:EQで音を整える

EQに関しては打ち込みとは少し趣旨が変わってしまうかもしれませんが、ギター音源特有の低音の硬さを改善させるため補足的に説明させていただきます。

楽曲によっても設定は変わってきますが、今回使ったLogic pro Xの内蔵ギター音源は低音と妙に抜けてくる320Hz辺りを削りました。

これは音作りを突き詰めていくようなものではなく、ざっくりと耳障りな音を排除するイメージで処理します。

この段階ではあくまで「ざっくり」で問題ありません。

例えばベースのない楽曲なら低音をカットし過ぎてもその役割を果たせませんし、沢山の楽器が鳴っているならば低音をしっかりカットして煌びやかな響きに寄せた方が良い場合が多いです。

最終的にはオケとの混ざり方を聴いてEQを再調整する必要が出てきますが、「生っぽい打ち込み方法」から外れてしまうので割愛させていただきます。

最後に

生っぽく聴かせるストロークの打ち込み方まとめると

・ピックが弦を弾く順番を意識する
・ベロシティで抑揚をつける

概ねこの二つを意識することで大きく改善させることができます。

アクセントに合わせて弦を弾く間隔を広げたり狭めたりする手法は特に拘りがなければやらなくても大丈夫です。

使うギター音源によって音の質感やベロシティの変化が大きく異なるため、特にベロシティはご自身の使っている音源に合わせた調整が必要です。

細かく調整しすぎると心が折れることもあるので、数値や見た目に囚われず軽い気持ちで試してみてください。

そうはいっても、性能の良いギター音源は比較的リアルなサウンドをしており、勝手にストロークしてくれるものまであります。そういった音源を試してみるのもありです。

また敢えてわざとらしく機械的なギターサウンドが欲しいという場合もあるかもしれません。そういった場合はここで紹介した方法を一切試さずベタ打ちを維持してください。

最後になりますが、打ち込みギターだけを聴いた時に100%人間が演奏したようなサウンドにするのは大変難しいことです。

ですので、ある程度打ち込みっぽさがなくなったら、一度オケと合わせて聴いてみてください。意外にも70%くらいだった生っぽさが90%くらいになったりします。

少ない労力で大きな結果を得ましょう。

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