レコーディングエンジニア兼ベーシストでありDTMブロガー、愛用DAWはCubaseなにっしーさん。
ブログ「にっしー音記録」では自身が得意とするミックス(ミキシング)やレコーディングの知識や経験を共有する他、機材のレビューなど、ミュージシャンが知ると得する情報を発信している。Twitterでも一言メモやブログ更新情報をつぶやき中。
ブログにも掲載されている通り、音源MIXの依頼をオンラインで引き受けているので、ぜひチェックしてみてください!
こんにちは。レコーディングエンジニアのにっしーと申します。
早速ですが、初心者の皆さま、まずはキチンと録音できてますか?音は録れてるし、何も問題は無いからこれでいいや、ってなってないでしょうか?
ここで間違えた録り方をしてしまうと、音が痩せてしまったり、ノイズが乗ってきたりと良い事ありません
せっかくいい曲を作っても、最初の録り方で音のクオリティに影響が出る事があるので、キチンと音を録れるようになりましょう!
まずは基本に忠実に!です。これは基本的なバンド編成のモノと仮定して書いていきます。すべてシンセサイザーなどの打ち込み音源で作るにも基本は同じ考え方です
DTMだと大半は、直接オーディオインターフェースにギターやベースを繋いで、アンプシミュレーターなどを使用するかとと思います
この時にオーディオインターフェースのゲインを上げるかと思いますが、どれぐらい上げればいいか?
答えは一番強く弾いた時の音量が-6db~-4dbになるように設定します
よくあるのが、Aメロなどの比較的、そんなに力まないで弾く所でゲインを合わせてしまう
それでサビに入って、気が乗ってきて力んでしまい、クリップ(0dbを超える事)してしまうパターン
クリップしてしまうと音が歪んでしまいます。この歪み、ジャンルによってはいい味になったりもするんですが、基本は避けるのがベターです
音量の差をダイナミクスと言いますが、これが無いといわゆる人間味が無くなることが多いです
弱く弾く所は弱く、強く弾く所は強く
このダイナミクスが音楽的な雰囲気を作る大事な要素でもあります
逆になくてもそれはそれでOKです。この部分は何が良いかなんてルールはないですから
逆にゲインをあまり上げないで録ってしまうと、音が痩せてしまいます
ゲインをキチンと合わせたものと、ゲインを上げないものを聞き比べると、ゲインを上げていないものは音が薄く感じます
同じ音量(メーターの触れ方が一緒)でも、こんな現象が起こります
まずはキチンとゲインを適切に合わせる!これが大事です
これ、打ち込み音源でも同じことが言えます
最初は音量の差に驚くと思いますが、基本的には-4db~-6dbに合わせましょう
これが鉄則です
クリップしない程度に出来る限りで構わないのでこれは守りましょう!
一番最初録る時は、ゲインのフェーダーやツマミ以外は触らないという事ですね
録った後のものはいくらでもいじってOKです(とは言えこれもまたクリップさせないように)
録音の基礎はこんな感じです。これだけは守ることをおすすめします!
続いてミックスについて書きます!
これは音量バランスを整える事に関してフォーカスを当てていきます
触るのはボリュームフェーダーだけです
僕もそうでしたが、やっぱりEQとかコンプレッサー使うと音が良くなった様に勘違いするんですよ
何でもかんでも、EQやコンプレッサー使って補正したり、頼り過ぎるのは最初の内はあまり良くありません
最初の内に音量バランスを聞き取る練習をして、聞き分けられる耳にするのが僕のおすすめです
これがミックスの基本であり、奥義でもあると僕は思います
具体的にどうすればいいか?
まずはキックのボリュームメーターの値を-8dbぐらいに合わせます。もうこれでキックのフェーダーは触らない
これに合わせて他の楽器を足していくんですが、音量感を養うのにおすすめなやり方は、常にキックと音量感を比べながら足すこと
この音量感と言うのは、実際にスピーカーなり、ヘッドホンなり実際に聞いている音量の事です
キックの音量が100%だとして、他を何%足すか?
基準を作って音量バランスを作っていくとやりやすいと思います
キック100%なら、スネアは70%ぐらいで、シンバルは80%
こんな感じです
とはいっても最初は聞き取るの難しいと思います
まずは、2つの音の音量を比べて、どっちが音大きいかを聞き比べる練習をするのが僕はおすすめです
色々楽器が入ってる状態で音量の差を聞き取ろうにも、最初は絶対に無理です
2つなら比較的わかりやすいかと思います
2つの音量の差の感覚って、実際恐らく誰でもほぼ同じ感覚です
キック100%に対して、スネアを70%の音量にしてみてと、初心者の方に遊びでやらせてみたこと何度かありますが、大体僕がここだと思っている音量までフェーダー上げていました
なので、キックに対して音量を比べていくのがおすすめ
注意なのが、そのまま全ての楽器を足していかないこと
あくまでもキックに対して、1つ1つ確認をする
最初からいきなりバランスを整えようにも上手くいかないのは、この聞き分けが出来ていないからです
まずは焦らず、この聞き取りの訓練です
この感覚を養ってから今後、EQやコンプレッサー使う時に必ず役に立ちます
そもそもなぜキックを基準にするのか?
キックが1番音が大きいからです
さっきの録音の話とも似ていますね
1番大きい音に他を合わせる
やみくもに合わせるよかは、基準を作ってミックスした方が音まとまりやすいです
全体のバランスに関しては好みがあるのですが、まずは基礎を作ってから
いかがでしたでしょうか?
録音とミックスの基礎中の基礎を書きましたが、意外とこれ見落としがちです
慣れてくるとこの辺りが雑になっていくケースが多いです
かなり地味な事ですが、侮ることなかれ、です
僕もミックスで色々悩むことありますが、そんな時は一旦フェーダー下げてまた音量調整からやり直しすると上手くいくパターンがあります
たかが音量、されど音量です
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