DTM初心者向けの解説ブログ「DTM 4 beginner」の運営者兼ライター。ブログでは自身のDTMへの取り組みも踏まえた体験談+アドバイスといった内容の記事を掲載している。
実は楽器が弾けない。これまで作曲を志して幾度か挑戦したが挫折。DTMへ挑戦した際もハードルが高いと感じつつ、ソフトウェアを使いこなせるように。
Twitterでも自身の作曲進度などをぽつぽつと呟いている。最近はお子さんもDTMを始めたそう。
「DTMを始めたいけど、どんな機材を準備したらいいでしょう?」という質問をよく耳にします。
パソコンとDAW、オーディオインターフェースにモニタースピーカー、MIDI鍵盤といろいろありますが、なにに重点的に投資すべきか・・・?悩ましいところです。
パソコンは高性能にこしたことはないのは当然ですが、言い出したらキリがありません。かといって最低限というラインもなかなか分かりずらいところがあります。
オーディオインターフェースやMIDI鍵盤は1万円も出せば結構いい機材があるのでそれで充分です。
DAWのライト版が付属している場合が多いのでDAWはそういったものからはじめるか(Cubase AIやAbleton Live lite)、フリーのDAW(Cakewalk by BandLabやStudio One 4 Primeなど)を使うと良いでしょう。
いろいろ揃えるものが多くて、結構後回しにされがちなのがモニター関係なのですが、あえて言います!充実させるべきはモニター機材です!
今からはじめようって人にいうのもなんですが、DTMって挫折しやすいんですよね。でもいい音響機材は資産なので無駄にはならないのです!!!
ここでいうモニター用のスピーカーやヘッドフォン、イヤフォンとは、一般のリスニング用途のものとはどう違うのでしょうか?
一般のリスニング用途のスピーカーやヘッドフォン、イヤフォンは音楽鑑賞用に作られており、本来の音源の一部分を強調or低減することで聞き手が心地よく音楽を楽しめるように設計されています。メーカーや機種によって特性は様々で、本来の音とはだいぶ違った音になっています。
思い切って高いイヤフォンを買ったのに、音が良くなくてがっかりしたという経験をした方はおられませんか?
それは決して音が悪いのではなく、その機種の特性があなたの個性に合わなかったということなのです。
余談ですが、私はイヤフォンを購入するときは、2時間は売り場で各機種の視聴をします。それでも買わない場合があります。迷惑な客です。ごめんなさい。
話を戻します。
モニター用途は音楽鑑賞用と違い、原音を聴くことを目的としています。音を味付けすることあありません。いわゆるフラットな音質というやつです。
作曲する際、ボーカルや各楽器のバランスを確認しながらMIXをするわけですが、忠実に再現してくれる機材でないとそもそも正しい判断ができません。
モニター機材でバランスのとれたMIXをすることで、音楽鑑賞用の特性のある機材で再生したときに聞き手に合わせた心地よい音楽が再生されるということです。
パソコンで楽曲制作するのであればモニタースピーカーは必須と考えていただいて結構です。
お値段はピンキリですがそんなに高価なものでなくても結構かと思います。2万円も出せば十分いい音を出してくれるスピーカーはたくさんあります。(パソコンとの接続には別途オーディオインターフェースが必要です).
それより重要なのは、設置位置です。
上から見て、左右のスピーカーと頭が正三角形の位置関係になるように配置しましょう。このとき、スピーカーは顔の方を向けるようにします。これは基本ですね。
そして、スピーカーはスピーカースタンドに乗せて、ツイーターがちょうど耳の高さに来るようにします。
スピーカーの高さ(値段の高さではなく、位置の高さ)で音質は歴然と変わります。天と地の差です。
スピーカーは1万強なのにスピーカースタンドに5千円とか勿体ないとか言わずに買いましょう。(自作でも結構です)出来ればインシュレーターも。
モニタースピーカーを使う意義に音の定位(左右遠近感)の確認があるのですが、セッティングがちゃんとされていないと確認もなにもありません。
スピーカーが設置できない場合や、あまり音を出せない環境ではヘッドフォンは必須です。
環境に左右されず、スピーカーに比べて、細かい音のデティールを聴きとることができるのがヘッドフォンの利点ですが、高解像度の音を直接脳に響かせると、疲れやすいといわれています。
しかし、個人的にはそれ程には感じません。普通に音楽鑑賞用にモニターヘッドフォンを長年利用していますが苦痛に感じたことはありませんから。
モニタースピーカーを使っている場合でも、細かいチェックにはヘッドフォンの併用をお勧めします。
スピーカーは低価格でもそこそこいい音出してくれる製品があるのですが、私観ですがヘッドフォンは、お値段に比例します。
コストパフォーマンスの高い製品もありますので、是非リサーチしてください。
通常パソコンでのDTMではモニターイヤフォンを使うケースは少ないかとは思いますが、なしではありません。
しかし、筆者もモニターイヤフォンは一本もっていましたが、実際はあまり活躍の場はありませんでした。ドラマーの息子に、ライブ用のイヤーモニターとして持っていかれました。
iPadやiPhoneでのDTMの場合、イヤフォンは主力となると思います。
音楽鑑賞で一番利用されるのはイヤフォンなので、そういった意味ではイヤフォンでMIXするというのは理にかなっているかもしれません。
ヘッドフォンもそうですが、イヤフォンは両耳に直接別々の音を鳴らします。一方スピーカーは左右からでた音が混じりあったものをそれぞれ左右の耳が聴くことになります。
聞こえ方は両者でだいぶ違ってきます。双方使いながら、MIXを進めるのが正しいやり方だと思います。
iPadやiPhoneはステレオスピーカーなので、たまにはスピーカーから出力してみて作業するようにしましょう。音の聴こえ方が違うことが実感できると思います。
一般に、スピーカーとヘッドフォンの使い分けですが、全体的なバランスの確認や調整、音色の確認はスピーカーでする方が適しています。9割の作業がこちらになります。
一方、残りの1割、音質の調整や細かいノイズの確認はヘッドフォンやイヤフォンでするとよいでしょう。パソコンのモニタースピーカーが使える状況であれば、上記の割合でMIXを進めましょう。
ヘッドフォンやイヤフォンが主でMIXを進めなばならない状況であれば、8割はヘッドフォン・イヤフォン、それでも2割はスピーカーで確認といったところでしょうか?
「モニター機材とは?」のパートで書きましたが、音質に特性を持たせている音楽鑑賞用の機材はMIXにむいていません。それは価格帯に関わりません。ただ、音楽鑑賞用のイヤフォンでも、比較的フラットなイヤフォンもありますのでそういったものであれば十分可能です。
例えば、低音がウリのBOSS社の製品や、筆者の好きなaudio-technicaが出しているSOLID BASSシリーズは「"圧倒的な低域"表現を獲得した、キレのあるサウンド再生。」というコピーなので、MIXには全く向いていません。
一方、音楽鑑賞用に使用している同社のATH-CKR70は全体的にフラットな音質で十分MIXに使えると思います。
音楽鑑賞の9割はイヤフォンで聴かれているといいます。そういう意味では、音楽鑑賞用イヤフォンでどの様に聴こえるのか確認しながら作業するのは意味のある行為であるとは思います。
(できれば、特性の違うイヤフォンを2~3本持っておきたいところですが、初心者の方はさすがにそこまでする必要はないですね)
最近はBluetooth(ブルートゥース)を搭載した無線・ワイヤレスのオーディオ機器が多くなってきましたが、ことDTM用途に限っていうと有線が必須です。
PCの場合、そもそもオーディオインターフェースから先は有線なので当然ですが、iPadやiPhoneでDTMする場合でもできるだけ有線のものでする方が好ましいです。
Bluetoothは、昔と比べて音質は各段に向上しているのですが、レイテンシー(遅延)の問題は依然、解決していません。
私のように楽器が弾けないDTMerとはいえど、他のパートを聴きながらピアニカ程度にはMIDI鍵盤から入力します。それがカンマ数秒遅れて入力されるようでは、まるで使い物にならないのです。
完全にノート(音)を書き込みで楽曲制作するのであればBluetoothでも大丈夫です。
以上、簡単にDTMのモニターについて述べさせていただきました。
・PCでDTMをする以上、オーディオインターフェースとモニタースピーカー、スタンドは必須です。(特にスタンド!)
・ヘッドフォンはお金を掛けても良いものを買いましょう。
・イヤフォンは特性の少ないフラットな音質のものであれば、音楽鑑賞用のものでも構いません。
お財布とご相談して、スタイルに合わせたモニター環境を構築しましょう!!
導入部分でモニター機材は資産になるといいました。
特性ある機材って、再生できる音楽ジャンルが限定されるので、いろんなジャンルを聴こうと思ったら自然とフラットなものになっていくんですね。
私がモニターヘッドフォンと出会ったのは偶然なんですが、DTMを始める前の話です。以来、5年にわたりヘッドフォンはそれを愛用しています。大活躍です。
モニタースピーカーは、子供がゲームするときの臨場感あるサウンド再生にもってこいらしいです。(とくにR6CGなどのFPSとか音が重要なゲームでは?よくわかりませんが)
モニターは音源を味付けすることなく、自然のままに楽しむことができます。音源には制作者の魂が詰まっています。それを感じることができるのがモニター機材の魅力だと思いますよ!
DTMブロガーであるD4Bさんより、本メディア「音マグ」へかなりクオリティの高い記事を寄稿して頂きました!とても光栄です!
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