【ジャズベーシスト香川裕史が解説】ウッドベースに関する4つの基礎知識まとめ

ジャズベーシストとして現役でウッドベースを操る香川さんに、ウッドベースの基本情報を語っていただきました。ベース初心者の方は、エレキベースからウッドベースへと世界を広げて、その奥深さに触れましょう!

記事の執筆者:香川裕史さん

自身の活動の傍らジョージ大塚氏(香川さんが千葉大在学中)や中村照夫氏のの下でベースを学んできたプロのジャズベーシスト。

現在は自身の主宰するグループや仲間のジャズトリオなどに参加してジャズクラブやジャズバー、ジャズイベントなどで演奏を行っており、ブログでもライブ情報を更新している。

演奏を見てみたい方は、まずはYouTubeで香川裕史と検索しよう。

そもそもウッドベースとは

憧れのウッドベースをこれから始めようかという方や初心者の方の為に、なかなか身近ではない楽器ですから、先ずはウッドベースとはどんな楽器なのかという所からお話を始めましょう。

エレキベースとの違いとして、音色は味わい深くて、低音の膨らみや存在感がとても大きいですね。 もちろん形もとてもカッコ良いですよね。

やはりアコースティックな音楽にはとても良いサウンドを生みます。


ウッドベースはクラシックで使うコントラバスと同じものです。4弦が一般的ですが、オーケストラ等では低い方のB音を加えた5弦の楽器もよく使われています。

ウッドベースのサイズや形状について

楽器のサイズは、3/4と言われるものが一般的で、4/4のフルサイズというのは5弦ウッドベースなどで使われています。7/8と言われるものもあります。

大きな楽器の方が低音も豊かで音量も大きいですが、体の大きくない日本人には、弾きこなすのは難しくなりますね。

楽器の形状や大きさは実は様々で、上部の肩の膨らみが大きいと楽器との距離が遠くなりますから、弾き易くありません。楽器を選ぶ時には、身長や手の長さ等によって、無理の無いものを選ぶと良いでしょう。

楽器の入手とメンテナンス

ウッドベースは作られた国によっても個性があり、イタリアの楽器はバイオリン型で明るい音色、ドイツやチェコなどの楽器は少しダークな音ですね。フランスやイギリスの楽器もあります。


日本製や中国製の楽器は手頃な値段で手に入りますから、先ずはその辺りから始めるのが良いかも知れませんね。

お手頃な楽器は、合板(いわゆるベニヤ板)を使っているものが多いのですが、表板は単板で裏板は合板という組み合わせもよく見かけます。 単板の楽器の方が良い音になりますね。


楽器は駒の高さや音の具合を調整をしてもうと、同じ楽器でも随分と弾き易くなったり、良い音になったりする場合がありますから、コントラバス専門の楽器屋さんに足を運んて何でも相談したりすると良いですよ。

ウッドベースの弦について

次に弦についてお話ししましょう。

今はスチールの弦が一般的です。大まかに、クラシック等の弓で弾くのに適したテンションが強めでしっかりとした音のものと、ジャズの様に指で弾くピッチカートに適したテンションが軟らかくてサスティーンの長いものがあります。

最近はハイブリッドというどちらにも対応しているものもあります。ガット弦というのもあって、深みのある太い低音が魅力です。元々コントラバスはガット弦を張っていたのですから、楽器本来の音と言えるでしょう。

ただしガット弦は、湿度の影響を受けやすかったり扱いが難しく、演奏のし易さや、倍音の聴こえ易さ等の理由でスチール弦を使う方が圧倒的に多くなっています。


弦によってずいぶんと音色も変わりますから、自分のやりたい音楽や音色の好みに合わせて弦を選ぶと良いですね。

ウッドベースの弓について

弓についても少し触れておきます。

フレンチスタイルというフランス式とジャーマンスタイルというドイツ式の2種類です。フレンチの方が優しい音色で小回りが利き、ジャーマンの方がより力強い音が出ます。

指で弾くから弓なんて要らないなあ、と思っていらっしゃる方もいるかも知れませんね。指で弾くだけならばもちろん弓は無くても良いのですが、コントラバスはそもそも弓で弾くクラシックの楽器ですから、上手くなりたい人は、早い段階でクラシックの基本を勉強することをお勧めしますよ。

クラシックをやらなければウッドベースは弾けないということではありませんが、左手の運指方法は大切ですし、弓で弾くことで楽器の響きもとても良くなります。

僕もコントラバスを始めてからクラシックのレッスンを受けたのはずいぶん経ってからでしたが、もっと早い内にやっておけば良かったなと思っています。

弓には松ヤニも付けて下さいね。 松ヤニを付けないと音が出ませんからね。

ウッドベースでの演奏

さて、楽器と弦と弓が揃いましたからこれで演奏出来ますね。

ウッドベースは、楽器が大きくて弦も太く、多少は体力や忍耐力も必要ですが、無理なフォームで弾いていると腱鞘炎になったり指や体を痛めることが多いですから、良いフォームで余計な力を入れないで弾くようにして下さいね。

この頃は女性の奏者もとても多いです。 女性でも十分に弾ける楽器だと思いますから、是非挑戦して下さいね。

ウッドベースの演奏フォーム

フォームについては、文字で説明するのが難しいですが、とても大切なことですから要点を書きますので練習の助けになればと思います。 良いフォームで弾けば楽に弾けますし、良い音が出ますからね。

まず余計な力を入れない事が大切です。

足は肩幅くらいに開いて真っ直ぐ脱力して立ちます。前屈みになりがちですから出来るだけ気を付けて下さいね。


左の鼠径部辺りと、左の膝の内側を楽器に当てて支えます。

右手の弾きと左手での押弦

▲ 香川さん提供

右手は指先だけでなく腕全体の重みを使って、人さし指1本、或は人さし指と中指の2本を使って弾きます。 人さし指1本だとクリアな強い音で、2本の指を使うと太い豊かな音が出ます。

左手は少し難しいですよ。 運指は、エレキベースの様に中指は使わずに、半音を、人さし指、中指、小指で押さえます。 薬指は小指を押さえる時に補助として同時に押さえて、中指のすく横にピタリと隙間を開けずに置きます。 親指は中指の真裏に来るようにしましょう。

握力だけで握るのではなくて、余分な力を入れない為には、肘を肩の高さに上げて左腕の重みを(指を立てて)弦の真上から乗せるイメージで押さえます。 手首から指の関節まで全ての関節を同じ様に少しずつ曲げてきれいな弧を描くようにしてあげると余計な力がかからなくて良いですよ。


先ずは解放弦から、そして弦を押さえて、ボーンと弾いてみて下さい♪ 楽器の震動と周りに響く音を感じて下さい。 気持ちの良い音が響くと思いますよ。

ベースラインだけでなくて、時には好きなメロディーも弾いてみると楽しいですよ。

ジャズベーシスト香川から最後に一言

他の楽器とアンサンブルする時には、ベースの音量が足りなければ、ピエゾタイプのピックアップを使ってベースアンプから鳴らすことも出来ますよ。

ウッドベースで、音楽を支える様な、包み込む様な素敵な低音を奏でて下さいね。

音マグ編集部より一言

今回はベテランジャズベーシストの香川さんより、ウッドベースについて初心者向けに解説する記事を執筆して頂きました!丁寧に対応して頂き、とても嬉しかったです。

ベース初心者の方はついエレキベースを頭に思い浮かべがちですが、曲のジャンルや雰囲気によってはウッドベースの方が明らかにしっくり来ることがあるのです。見た目もすごく魅力的な楽器ですからね。

初心者の方も臆せず挑戦していきましょう!

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